遺品整理業者が解説!遺品整理前に残しておくべきモノまとめ
「何から手をつければいいのか」と途方に暮れてしまう遺品整理ですが、実は最優先で確保すべき品物は決まっています。
一度処分してしまうと、法的な手続きが滞るだけでなく、二度と取り戻せない大切な思い出まで失ってしまうリスクがあります。
そこで今回は遺品整理業10年ほど携わってきた業者の視点から、後悔を防ぐために「絶対に捨ててはいけないモノ」を5つのカテゴリーで分かりやすく解説します!
1. 法的・事務手続きに必要な「重要書類」

死後の手続きや名義変更において、公的な書類は一枚でも欠けると進行が止まってしまいます。
特に不動産の権利証や保険証券、年金手帳などは、再発行に手間がかかるだけでなく相続放棄の判断材料にもなります。
また、公共料金の領収書には解約時に必要な「お客様番号」が記載されているため、捨てずに保管しましょう!
これらはバラバラになりがちなため、まずは一つのバインダーや箱にまとめて管理するのが鉄則です。
2. 相続トラブルを防ぐ「資産価値のあるもの」

一見すると不用品に見えるガラクタの中に、実は高価な骨董品や貴金属が紛れていることが多々あります。
特に「へそくり」は、仏壇の引き出し、衣類のポケット、本の間など、プロでも驚くような場所から発見されます。
親族間での遺産分割トラブルを避けるためにも、金目のものは独断で処分せず、一か所に集めてリスト化しましょう!
価値が不明なコレクション品などは、安易に捨てずに専門の鑑定士や業者に査定を依頼するのが賢明です。
3. デジタル遺品

現代の遺品整理で最も見落としやすく、かつ厄介なのがスマホやパソコンの中に残されたデータです。
ネット銀行の口座や証券、有料サブスクリプションの契約状況は、端末にログインしないと把握できないことがほとんど…
これらを放置すると、身に覚えのない請求が続いたり、重要な資産を見逃したりするリスクが生じます。
ロック解除が困難な場合に備え、ログイン情報が記載されたメモやエンディングノートが周囲にないか徹底的に探しましょう。
4. 後で買い戻せない「思い出の品」

写真やアルバム、手紙、日記などは、一度捨ててしまうと二度と手に入らない唯一無二の財産です。
整理の序盤は「早く片付けなければ」と焦り、勢いで捨ててしまいがちですが、後から深い後悔に襲われる遺族は少なくありません。
判断に迷う品は「保留箱」を作り、四十九日や一周忌など、気持ちの整理がついたタイミングで見直すのがコツ!
故人の生前の歩みを知る手がかりとして、また親族への形見分けの品として、慎重に扱う必要があります。
5. 意外な盲点!「レンタル品・借り物」
遺品の中には、故人の所有物ではなく、外部から借りている「返却義務」があるものが混ざっている場合もあります。
例えば、インターネット回線のルーターや、介護用ベッド、車椅子などは、解約後に返却しないと違約金が発生してしまうことも。
また、友人から借りていた本やDVDなどを誤って処分してしまうと、人間関係のトラブルに発展しかねません。
「誰のものか分からない」と感じる品やタグ付きの機器を見つけたら、まずは契約書や連絡先を確認してみてください。
【保存版】遺品整理前に残しておくべきモノ・チェックリスト
遺品整理を始める際に、このリストを見ながら仕分けを行ってみてください。
重要書類・手続き関係
身分証明書(免許証、パスポート、マイナンバーカード)
権利証(不動産登記済証)、賃貸借契約書
金融関係(通帳、証券、保険証券、年金手帳)
実印、銀行印、認印
公共料金の領収書、納税通知書
資産価値・現金
現金(財布、封筒、仏壇内、衣類ポケット、本の間)
貴金属(金、プラチナ、宝石、アクセサリー類)
高級時計、ブランド品
骨董品、美術品、趣味のコレクション
デジタル・情報
スマートフォン、タブレット、PC本体
ID・パスワードの控え(メモ、エンディングノート)
外付けHDD、USBメモリ、SDカード
思い出・その他
写真、アルバム、ホームビデオ(DVD・テープ)
手紙、日記、手帳
レンタル品(ルーター、介護用品、借りた本など)
まとめ

遺品整理は、単なる「片付け」ではありません。
故人が生きてきた証を確認し、残されたご遺族が前を向くための大切なプロセスです。
「早く終わらせなければ」と焦る必要はありません。
今回紹介した「残しておくべきモノ」さえしっかりと確保しておけば、法的なトラブルや事務的な滞りを防ぐことができます。
それ以外の思い出の品については、ご自身のペースでゆっくりと向き合ってください。
もし、量が多くて手に負えない場合や、何が貴重品か判断がつかない場合は、遺品整理業者に相談してみるのが間違えないと思います。
私たちは、ご遺族の心に寄り添い、故人の想いを大切に守りながら、次の一歩をお手伝いさせていただきます。


